2009年11月28日 (土)

インプラント 骨の移植 リスクの分散

確かに、インプラントによっていろいろな意味で可能性は広がったように感じます。

ただ、それでもリスクををなるべく小さくすることは大切です。

移植骨の信頼性、インプラントの位置(審美性や機能性を考慮した)の妥当性、治療期間の短さ、予後の安定性等、我々医師は患者の利益、不利益になるかも知れないことを深く深く考えなければいけない。

術前のレントゲンには、4本分のインプラントを予定してマーキングがあります。

左から1,2,3,4とそのマーキングを呼ぶことにします。

1.の上に見える歯の根のような形をした骨の吸収像、これは抜歯をした後の像、骨は十分にありませんが、後方には骨が十分あります。

2.マーキングが5mmなので、分かりやすいですが、骨は2,3mmしか存在しません。

3.ここの骨は3,4mmです。

4.ここには、十分な骨が存在します。

 

 

A.B.pre.jpg

A.B.Pro.jpg

 

術後のレントゲンです。

2,3の部位のインプラントの周囲を見てください。

白い像がありますが、これが自家骨および人工骨の像です。

骨は、上顎洞の存在していた空間に"シュナイダー膜"という軟組織によって包まれながら存在しております。

1,4については、CTによって立体的に計測された骨の十分厚い場所に、"骨内"に位置させ、初期の固定、予後の安定の観点からも、少し傾斜をさせながら埋入しています。

 

4に関しては、この2次元レントゲンでは表現しきれない配慮もなされています。

機能性だけでない、"審美性"です。

 

尖った山のような骨にインプラントを打つことは大変難しいです。

その尖った山を、広げることで、また、頬側に骨を移植することで、もともとの歯のような膨らみのある歯肉形態を獲得しなければなりません。

 

入れ歯、によって、歯を失うスピードも速くなることもあります。

 

"現在ある歯を守る"ために、インプラントはとても大切な革新的発想であることは間違いのないことだと思います。

 

 

大竹貫洋

 

 

2009年11月21日 (土)

上顎のインプラントには前準備が必要な場合が多くあります

1枚目のレントゲンをみてもらいます。

奥歯(向かって右側が奥のほうです)に、白い丸〇のものが写っていますね。

その白〇の下(レントゲンでは向かって上)の硬組織について説明します。

A.F. pre.jpg

白〇の手前の歯(向かって左が手前の歯で、小臼歯と呼ばれています)の周りに、白い像、すなわち骨があります。

ところが、白〇の下(レントゲン向かって上)には黒い像、空洞(これを上顎洞と呼びます)があり、境界の白い部分(とはいってもほとんど認められませんが)が、問題となる"インプラントを打ちたい部位"ということになります。

 

その骨は1mm以下のもので、とうていこのままではインプラントは打てません。

 

そこでもう一枚のレントゲンをみてもらいます。

 

A.F. pro.jpg

 

このレントゲンは、インプラントを打とうと考えている部位に、骨を移植したレントゲンです。

骨は、上下的にボリュームが必要で、またコンデンセーションもされている必要があるので、この段階での骨量は十分とは思っておりません。

 

半年以上の経過の後に、短めのインプラントを、あるいは、更なる骨の準備を、ということになります。

 

 

大竹貫洋

2009年11月19日 (木)

デンタルクリニック高円寺 大橋先生

ブログの更新の仕方を忘れてしまいました...

 

 

私が尊敬する、高円寺でご開業しておられる デンタルクリニック高円寺大橋先生は、来月改装の予定です。

今回のリニューアルは、僕自身がとても楽しみにしていて、ロゴやらデザインやら、横からうるさく注文したりしております。

 

大橋先生は、とても"地味な性格"でして、見た目と違って"疑う医療""着実な前進"を実践されていて、その考え方にいつも共感いたします。

 

さて、大橋先生は、11月のこの一ヶ月を大変ゆったりと過ごされていて、毎週毎週当院に遊びにきてくれます。

もちろん、いろいろなディスカッション、大きなオペにも参加していただいております。

 

人工材料、特に人工骨は何を選択し、どのような手法が安定的で、失敗が少ないのかなど、とてもとても細かい話をしています。

 

昨日も、先週も、とてもとてもタフな症例を協力してもらいながら行いました。

 

写真でいつかアップします。

 

それと、石原先生(いしはらデンタルクリニック)も毎週水曜日、岩槻から来てくれます。

彼は、昨日のオペで、滅菌グローブで滅菌域でない場所を触ってしまい、当院スタッフに怒られてましたけど。