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2011年6月 4日 (土)

インプラントの可能性

今日は、虫歯予防デー

 

虫歯は痛いわけではありません。むしろ、痛み/虫歯 の割合はかなり低い、すなわちほとんどの虫歯は痛くないと言っても良いでしょう。

痛くなった虫歯は、かなり進行している虫歯であって、何年もかけて歯の神経に届いた結果に過ぎません。

 

痛くなる前に治療しなければ、歯の神経を残せない。

 

歯の神経を失うと、歯は大変脆くなりますし、また別の病変をつくる可能性を大きくします。

 

また、歯を不必要に削ることも問題です。 例えば、ブリッジ治療です。

虫歯、感染した歯質を除去することは、その意味を見出せますが、維持力のために便宜的に歯を削ることになるブリッジは、意図的に神経までの人工物の距離を近づけさせます。

すなわち、2次虫歯(修復物の下の虫歯)の始まるポイントを、虫歯サイドからみたらアドバンテージを(歯サイドからは大きなリスクを)与えることになり、より早く神経に刺激を伝えやすくするのです。

 

失ってしまった場合には、インプラントがとても有効です。

インプラントは、"足し算"として貢献してくれます。

また力(噛み合わせによる)の分散、"割り算"としても貢献してくれます。

結果、失った歯のとなりの延命となり得る、とても革新的な治療方法なのです。

 

 

オオタケ

 

 

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2011年5月28日 (土)

CTの導入

インプラント患者の増加に伴い、またスタディーグループ会員からのプレッシャーで、CTを導入することに決めました。

6月20日からCTによる術前、術後の検査が可能となります。

 

CTの撮影は、必要に応じて医科CTに撮影依頼をし、難症例に関してはその検査の不可欠さを十分理解しておったつもりです。

問題は、そのシミュレーションがいかに口腔内、口腔外で精度を保って診断に用いられていたのか...というところでした。

 

研究テーマなどは、"顎の動き、顎の立体構築"であったので、過度にその不確実さを疑っていたのも事実ですが、今回導入に至ったCTでは幾何学的に様々な"予測値(みえないところ)"と"実測値(施術野からのアプローチ)"を、精度高く合理的に考えることができるものなので、購入を決めました。

 

ただCTを撮るではなく、ソフトウエアの汎用性がとても重要だと考えております。

 

スタディグループの皆に、シミュレーション付でデータを送り、考察を深める事が可能となって、また一つ"目"が増えたことは嬉しいことです。

 

 

オオタケデンタルオフィス 院長

 

 

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2010年8月 3日 (火)

空間想像-インプラントの仕上がり-

昨日は、岩槻のいしはらデンタルhttps://ishihara-dc.jp/ に見学に行ってきました。

私、大竹のために、午前と午後の2症例をご用意いただき、とても緻密なオペを拝見できました。


2例とも、骨の少ない症例、上顎と下顎、部位は異なりますが、

その機能的空間想像と、

審美的空間想像

すばらしいい!

6ヵ月後?の上部構造体を作製の際に、とても楽しみな症例でした。


特に、上顎の側切歯の症例

残留ケラトシストの鈍的ハクリに、おそらく手術時間の半分を費やしてました。


なんでも、そのシスト、わざと手術当日まで除去せずにしたとか

理由は! 歯肉の陥没を防ぎながら、骨造成時の空間提供のために残しておいて、GBRメンブレンと移植骨の作業スペースとして利用したと!

初期固定は、口蓋側の皮質骨に沿わせるように得ていたようです。


二次オペ時も、結合組織移植を行うとのことです。まさに審美的インプラントですね!

 

私のオフィスでも、とてもタフな症例が多いですが、頑張ろうと思えた一日でした。

 

大竹貫洋

 

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2010年6月 3日 (木)

下顎臼歯インプラント

久しぶりに書きます。

先日、日曜日にさいたま市のこば歯科https://kobasika.jp/

にお邪魔して、下顎臼歯部のインプラント埋入をお手伝いしてきました。

こば先生、本当にまじめ、用意周到に準備がされていて、安定的なオペでした。

抜歯痕に歯肉が剥離しにくい組織になってしまうことがありますが、こば先生の丁寧なハクリで、インプラント周囲が露出することなく閉じることができてました

 

来週は、とても難しい顎位の患者のサイナスリフト症例のために、デンタルクリニック高円寺https://dc-koenji.jp/

にお邪魔します

 

 

大竹

 

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2010年4月 5日 (月)

歯は咬合時に動いています。 その4

軽くかんでもらって咬合調整を行った場合と強くかんでもらって咬合調整を行った場合では、最終的に咬合接触点が異なってくることは、日常の臨床において歯科医師の皆さんはご存知だと思います。


では、具体的にどのくらい、どのように異なるのか。

実際に研究してまとめた論文があります。


軽度噛みしめ時と強度噛みしめ時の咬頭かん合位での歯の変位と、咬合接触点を測定したものです。


結果、ほぼ同様の変位経路を経過して、強度噛みしめ時には変位経路を延長したということです。

また、咬合接触に関しては、軽度噛みしめ時にはほとんどの被験者で1点ずつであったものが、強度噛みしめ時には2?6箇所に増加するとともに咬合接触面積も増加したと報告されています。

さらに、軽度噛みしめ時に接触していたのは近遠心辺縁隆線部が多く、強度噛みしめ時には機能咬頭に咬合接触が見られるようになったということです。


変位経路を具体的に示すと、上顎5,6は噛みしめ強度に応じて歯根方向へ沈みながら口蓋側へ傾斜し、下顎6は舌側方向へ回転するように変位したということです。


これらの結果を考え合わせると、上顎6の舌側咬頭内斜面と下顎6の頬側咬頭内斜面が咬合接触接触していたのが、上顎6の中心溝に下顎6の頬側咬頭がかん合するような咬合接触に変化するものと考えられると結論づけられています。


ややこしくなりました。

まとめると、噛みしめる強さによって上下の歯で変位の方向も量も異なっていく。そのために、咬合接触状態が噛みしめる強さによってだんだん変わっていくことが具体的に示された論文です。


だからなんだ、結局どうやって咬合調整すればいいのか、ということに直接これだけで結びつけることはできないのですが、こういう歯の動きを頭に入れ、とにかく強く噛みしめた状態での咬合調整を行う必要はある、ということで次回につなげたいとおもいます。



オオタケデンタルオフィス 小椋麗子  www.o-dent.com

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2010年3月29日 (月)

歯は咬合時に動いています。 その3

変位の話の続きをしていこうと思います。


お話しているように、歯は咬合時にある一定の方向へ動くことが報告されてきているのですが、

歯の咬合面の、荷重を加える位置によって動き方が変わることも報告されています。


たとえば上顎第一大臼歯の頬側1点に荷重を加えた場合と口蓋側1点に荷重を加えた場合には動く方向も量も異なります。


基本的に頬側1点のみで咬合させたときの方が口蓋側1点で咬合させたときよりも大きく変位します。

口蓋側1点で咬合させたときには咬頭かん合位の際の変位に近い動き、すなわち口蓋側あるいは口蓋側歯根方向へ変位し、頬側の場合には頬側方向への成分が多くなることが確認されています。


このような差が生じることには、頬側と口蓋側の歯槽骨の厚みの差が原因していると考えられています。


健常者の咬頭かん合位やタッピング時の変位の方向を正常とした場合に、それとは異なる方向へ変位することは歯周組織との調和を乱し、咬合性外傷につながる可能性があると考えられています。


つまり、歯根の形態、骨の形態や厚みなどの解剖学的形態と歯周組織の粘弾性には関係があり、これらの両者から、咬合面上の力を加える(咬合力が加わる)位置を変えることで、歯の変位の方向や量に違いが生じるのであろうと考えられています。


ゆえにどこに力が加わるとどのくらいの量どう動くということを把握した上で咬合調整を行うことは、歯周組織と歯の調和を目指すときに不可欠であろう、ということで、私も日々測定に解析に励んでいる状況です。



大雑把に説明させていただきました。


また随時ご紹介させていただけたらと思います。


オオタケデンタルオフィス 小椋麗子  www.o-dent.com

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2010年3月26日 (金)

審美、自然美、前歯のインプラント

先週土曜日に、ドクター6名参加のインプラントオペがありました。

CTによるシミュレーション、骨造成、意図的な歯の不整などのとても興味深い手術となりました。

お集まりいただいた先生方、ありがとうございました。

 

私の所属する研究会グループでも、骨の造成に関するマテリアルの選定について、いろいろな意見がありますが、今回は、ブロック骨自家骨移植と、チタン補強のメンブレンで骨の造成を同時に行いました。

 

前歯のインプラントは、骨の形態の難しさだけでなく、歯肉の膨らみや、歯冠部分の位置の想像など、とても緊張するものですが、やはり多くの先生と検討しながらのオペは安定的です。

 

4ヶ月後の歯肉移植の際にも、チームで取り組みたいです。

 

 

大竹貫洋

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2010年2月10日 (水)

歯の根の治療

さて、1ヶ月もあいてしまいましたが、時間ができましたので、歯の根の治療に関して少しだけ書きたいと思います。

 

歯の根の治療、これは大変難しいです。

 

なぜか

 

それは歯の根の形態がとても複雑であること、直視しにくいこと、などがあげられます。

 

"ここに何かがあるはず"という脳がなければ、つまり深い知識をもって治療に臨まないといい結果が得られないですし、思い込みだけで治療をすると、失敗して必要以上に削ってしまったり

 

インプラントの治療本数が多い医院は、インプラントの専門性がたかいのかも知れません。

 

でも、歯を抜かずに治療することで、インプラント適応症例は減るはず。

 

当院は、比較的インプラント症例数は多いと思いますが、日々の診療において、インプラントになってしまうことのないような努力をしたいと思っております

 

今日も、こば歯科の木庭先生が遊びに来てくださいました。 月末の共同オペの打ち合わせです。

2回目の打ち合わせです。埼玉からわざわざ...

インプラントは1本、ですが、木庭先生は本当にマジメ。

 

ひとつの病態を、いろいろな角度で議論するのはとても大切なことです。

 

 

大竹貫洋

 

 

 

 

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2009年11月28日 (土)

インプラント 骨の移植 リスクの分散

確かに、インプラントによっていろいろな意味で可能性は広がったように感じます。

ただ、それでもリスクををなるべく小さくすることは大切です。

移植骨の信頼性、インプラントの位置(審美性や機能性を考慮した)の妥当性、治療期間の短さ、予後の安定性等、我々医師は患者の利益、不利益になるかも知れないことを深く深く考えなければいけない。

術前のレントゲンには、4本分のインプラントを予定してマーキングがあります。

左から1,2,3,4とそのマーキングを呼ぶことにします。

1.の上に見える歯の根のような形をした骨の吸収像、これは抜歯をした後の像、骨は十分にありませんが、後方には骨が十分あります。

2.マーキングが5mmなので、分かりやすいですが、骨は2,3mmしか存在しません。

3.ここの骨は3,4mmです。

4.ここには、十分な骨が存在します。

 

 

A.B.pre.jpg

A.B.Pro.jpg

 

術後のレントゲンです。

2,3の部位のインプラントの周囲を見てください。

白い像がありますが、これが自家骨および人工骨の像です。

骨は、上顎洞の存在していた空間に"シュナイダー膜"という軟組織によって包まれながら存在しております。

1,4については、CTによって立体的に計測された骨の十分厚い場所に、"骨内"に位置させ、初期の固定、予後の安定の観点からも、少し傾斜をさせながら埋入しています。

 

4に関しては、この2次元レントゲンでは表現しきれない配慮もなされています。

機能性だけでない、"審美性"です。

 

尖った山のような骨にインプラントを打つことは大変難しいです。

その尖った山を、広げることで、また、頬側に骨を移植することで、もともとの歯のような膨らみのある歯肉形態を獲得しなければなりません。

 

入れ歯、によって、歯を失うスピードも速くなることもあります。

 

"現在ある歯を守る"ために、インプラントはとても大切な革新的発想であることは間違いのないことだと思います。

 

 

大竹貫洋

 

 

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2009年11月21日 (土)

上顎のインプラントには前準備が必要な場合が多くあります

1枚目のレントゲンをみてもらいます。

奥歯(向かって右側が奥のほうです)に、白い丸〇のものが写っていますね。

その白〇の下(レントゲンでは向かって上)の硬組織について説明します。

A.F. pre.jpg

白〇の手前の歯(向かって左が手前の歯で、小臼歯と呼ばれています)の周りに、白い像、すなわち骨があります。

ところが、白〇の下(レントゲン向かって上)には黒い像、空洞(これを上顎洞と呼びます)があり、境界の白い部分(とはいってもほとんど認められませんが)が、問題となる"インプラントを打ちたい部位"ということになります。

 

その骨は1mm以下のもので、とうていこのままではインプラントは打てません。

 

そこでもう一枚のレントゲンをみてもらいます。

 

A.F. pro.jpg

 

このレントゲンは、インプラントを打とうと考えている部位に、骨を移植したレントゲンです。

骨は、上下的にボリュームが必要で、またコンデンセーションもされている必要があるので、この段階での骨量は十分とは思っておりません。

 

半年以上の経過の後に、短めのインプラントを、あるいは、更なる骨の準備を、ということになります。

 

 

大竹貫洋

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2009年11月19日 (木)

デンタルクリニック高円寺 大橋先生

ブログの更新の仕方を忘れてしまいました...

 

 

私が尊敬する、高円寺でご開業しておられる デンタルクリニック高円寺大橋先生は、来月改装の予定です。

今回のリニューアルは、僕自身がとても楽しみにしていて、ロゴやらデザインやら、横からうるさく注文したりしております。

 

大橋先生は、とても"地味な性格"でして、見た目と違って"疑う医療""着実な前進"を実践されていて、その考え方にいつも共感いたします。

 

さて、大橋先生は、11月のこの一ヶ月を大変ゆったりと過ごされていて、毎週毎週当院に遊びにきてくれます。

もちろん、いろいろなディスカッション、大きなオペにも参加していただいております。

 

人工材料、特に人工骨は何を選択し、どのような手法が安定的で、失敗が少ないのかなど、とてもとても細かい話をしています。

 

昨日も、先週も、とてもとてもタフな症例を協力してもらいながら行いました。

 

写真でいつかアップします。

 

それと、石原先生(いしはらデンタルクリニック)も毎週水曜日、岩槻から来てくれます。

彼は、昨日のオペで、滅菌グローブで滅菌域でない場所を触ってしまい、当院スタッフに怒られてましたけど。

 

 

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2009年10月26日 (月)

歯軋り はぎしり

噛み合わせがおかしいような気がする、噛んだときに違和感がある、どこで噛んだらいいのかわからない、という患者さんがいます。特に大学病院で非常に多く聞く訴えです。

もちろん、実際に噛み合わせの調整が必要な場合もあります。一方で、噛み合わせには問題がないのに症状が消えない患者さんもいます。

 

これらの誘引のひとつに歯ぎしり(ブラキシズム)や食いしばり(クレンチング)の習癖があげられます。歯ぎしり、食いしばりは顎関節やその周りの筋肉、歯に大きなストレスを与えるために、顎関節症や歯の破折を引き起こすこともあります。

 

こういった習慣を持つ患者さんの場合には、どんなに噛み合わせを調整しても、かぶせ物を作り直しても、症状が消えないことが多々あります。さらに習慣なので、これらをやめるようにする、ということは非常に困難で、長期にわたる治療になることが多いのです。

 

歯科医の間ではよく知られていることですが、一般にはあまり認識されていないので、かぶせ物や過去の治療のため、あるいは自分の歯並びのためではないかと悩まれる人が多いこともあり、今回ブログに書いてみました。

 

本を読んでいるとき、テレビを見ているとき、噛み締めていませんか。気づいたら意識して上下の歯を離してみましょう。こういう小さなことでも改善の一歩になるのだそうです。もちろん、症状に応じて本格的な治療が必要な場合がありますので、まずはご相談ください。

 

                      月曜担当 小椋

 

 

 

 

 

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2009年10月13日 (火)

スポーツと噛み合わせ

海外で活躍している日本人サッカー選手も矯正治療中ですね。

やはり、噛み合わせと運動機能に関して"大きな"関係がないということなのでしょうか。

 

興味深いです。

 

もちろん、コンタクトスポーツで、マウスピースを使用して"脳"を守る、ということと、私の興味とは違います。

運動機能向上のための噛み合わせについては、"幅がある"のかも知れませんね。

 

大竹貫洋

 

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2009年9月11日 (金)

ガムピーリング 歯ぐきを白く

審美歯科という言葉を良く耳にしますね?

古風...というか、頑固な研究者が多かった僕の先輩方は、"審美歯科なんて!"と、見た目じゃない、機能的かどうかだ!とおっしゃっていたのを思い出します。

 

先進国にあって、青山にいて、美意識の高い患者様が多いこのオフィスでも、もちろん審美歯科について追求をしております。

 

歯ぐきが黒い

原因は、古い差し歯の金属が、差し歯の土台に金属が、メラニン色素が、などいろいろあります。

 

歯ぐきのホワイトニンをして、原因を除去して、メタルフリー(金属材料を使わない)処置をして、さらには歯ぐきの形を変えて、歯の位置も変えて

とても美意識の高い患者様には、こういったことを徹底的に施していきます。

 

とある患者に、ガムピーリングをしました。

歯ぐきが大変黒く、とても気にされていたのです。

 

2週間後に拝見しますと、最初に僕が思ったのは、

"歯が黄色い"

でした。

決して歯が黄色くなったのではなく、歯ぐきがピンク色に明るい色に変化したことで、歯の黄色さに気づいたのです。

それまで、その患者様にホワイトニングを無理に勧めることはなかったですが...専門的立場として、少し説明しましたら、患者自身がそう思っていたようでした。

 

 

歯ぐきを白くすること、歯を白くすること、とても上品な美しさを獲得することができますね。

 

綺麗な歯と歯ぐきで、明るい表情を演出したとき、患者様の心もきっと晴れやかなのだろう、と審美歯科を肯定するに十分な出来事でした。

 

大竹貫洋

 

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2009年9月 4日 (金)

矯正治療

矯正治療を考えている、けれど治療中の装置が目立つのに抵抗がある、という患者様が多いです。

最近歌手の方で矯正装置をつけてテレビにでていて、しかも口を隠すことなく笑ってる姿を見て、僕は個人的に

"美意識があるんだな、ちゃんとしてるんだな"

と感じてしまいます。

歯科医師だからでしょうが...

今の歯並びに不満があって、笑うときに口を隠すこと、矯正装置を気にして口を隠すこと、同じではないですが、似てるようにも思えます。

 

最近は、矯正装置自体が大変見えにくいものもあります。

歯を大きく削って歯並びを変えるよりも、健康な歯で美しい歯並び、歯茎のそろった歯の形態、というものが本当に美しく、また上品だと思います。

 

 

大竹貫洋

 

 

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2009年9月 3日 (木)

食いしばる

噛み合わせが悪いと力がでないのか?

という質問をされることが多いので少し面白い話を

 

1.ホームランバッターとして知られる大選手、この方は現役を退きましてから、歯がボロボロになったそうです。

2.またこの方と違う野球選手は、体のバランスを考えて、マウスピースを現役時代に使用していたという話もあります。

どうでしょうか、歯を食いしばって!という言葉もあります、噛み合わせは力と関係ありそうですね。

 

こんな話もあります。

3.ゴルフで大変有名な方、この方は力まないために、わざと舌を軽く上下の歯に挟んでショットするそうです。

どうでしょうか、噛み合わせと力が関係ないようにもとれますが、力まない、ためにこれをしているなら、やはり関係ある、という捉え方が正しいですかね。

4.有名なバスケットボールの選手で、"あかんべー"をしながらダンクシュートをする方、いますね?

やぱり、力をこめているときに、けして食いしばってる人ばかりでもなさそうです。

5.先日の世界陸上で見つけました。女子の短距離選手で金メダルを獲った方、歯列矯正中でした。

ちなみに、歯列矯正中は決して十分な噛み合わせの状態ではないです。

 

 

このように、思い込みを持たずにいろいろな話を耳にしたり、論文を読みますと、先日書いたブログのように考えることになってくるのです。

ただし、何でも良いわけではない、のです。

 

書き出したら大変になりそうなので、このへんで。

 

大竹貫洋

 

 

 

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2009年8月22日 (土)

噛み合わせと全身の関係

噛み合わせに関して専門性の高い、またとてもマニアックな大学学者ばかり集まる学会に、20代後半のころはよく参加しておりました。

例えば、ロボットにアゴの動きをさせる、その動きをさせるにはどのような力が必要で、結果どこにストレスを与えることになるか

生体から抽出するデータ(例えば筋電図やアゴ運動の軌跡や)の意味を紐解くことで、アゴ運動の解明をする、というのが主流ではありましたが、ロボットを使うことによって、任意にしかもバイアスの殆どないインプット(力のコントロール)から結果を導くことができるわけです。

 

アゴを左に動かす

ということを考えますと、左の筋肉活動が0で、右の筋肉活動が1と仮定(開口運動と閉口運動は逆ですが)すれば、左に動くことになります。

同じ運動を左の筋肉1で抵抗して、右の筋肉がそれを上回る2で活動しても同じような動きになるとも考えられます。

この左の活動1の抵抗を"異常"としますと、右の活動は効率が悪いということになり"過活動"と考えることもできます。

ロボットは疲れたとは言いません、ヒトの場合は、過活動の結果、疲労し、痛みとなる、という仮説が成立するわけです。

 

噛み合わせが肩こりや頭痛を引き起こすことがある、ということについて否定はいたしませんが、全てそうかというと疑問です。

まだ答えが出ていないと思っております。

 

噛み合わせ、と一言で表現されることが多いですが、アゴの運動を立体的に理解したり、多数の筋肉の多様な活動パターン、複数の関節の存在、そして関節自体の運動の特殊性(単なる回転運動ではないので)を考えていくと、本当に本当に難しいです。

 

ご紹介をいただく患者でも、噛み合わせに異常を訴えていても、全ての患者に噛み合わせ治療を施すわけではありません。

むしろ少ないです。

 

大竹貫洋

 

 

 

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2009年7月 9日 (木)

サイナスのあつかい

3ヶ月ほど前でした。

上顎左側にインプラントを埋入する手術をしたのですが、骨造成を行っただけで、埋入をやめました。

理由は骨があまりに少ないために、抜歯後経過6ヶ月であったのに、脆弱な組織のままだったからです。

確かに、CTなどの診断器材は発達してきていますが、やはり粘膜を開いて骨をみて触ってからでないと、安定した手術にはならないな...と実感しておりました。

 

今日、デンタルクリニック高円寺の大橋先生と小椋先生とで、サイナスフロアエレベーションあるいはソケットリフトの両方をできるような体制で臨みました。

 

骨は結構しっかり(想像よりは)してまして、ドリルを一度も使わずに、オステオトームも一本だけしか使わずに、しっかりとした初期固定を得ることが出来、ソケットリフトで対応できました。

 

術中の判断、変更などはやはり複数の医師がいることで、力強く、ブレのない判断ができると感じ、ここで、大橋先生、小椋先生に感謝したいと思います。

 

大竹貫洋

 

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2009年6月 5日 (金)

虫歯予防デー

昨日は虫歯予防を考える日でした。

 

歯の治療は、患者には大変理解しにくいものだと思います。

もし、自分に歯科の専門知識がなかったら、患者と同じ疑問をもつだろうな...といつも思います。

 

例えば、"痛み"です。

 

歯科領域で、"痛み"がある場合、進行していることが大変多く、例えば」、歯髄(歯の中の神経)にまで達した虫歯は、その神経を除去するだけで、痛みは急速に除かれます。

痛みがなくなった...それは治癒ではなく、"痛みがなくなった"だけ、です。

 

『痛くないのに虫歯があるのですか?』と患者に聞かれることが多いことにも驚かされます。

 

6歳臼歯、これは永久歯の最初の歯、第一大臼歯という噛み合わせの安定にとても重要な歯ですが、文字通り6歳ごろに現れます。

さて、6歳ごろ、ものすごく歯磨きが上手だっただろうか...

 

 

例えば20歳で歯髄に達する虫歯ができて、とても痛みがあるならば、速度は一定ではないかも知れませんが、12年かけて大きくなった、と考えられますね。

 

つまり、『痛いときだけ虫歯が存在する』ならば、11年以上は虫歯が進行しないで、昨日から虫歯になった、というような解釈にもなってしまいますよね。

 

もうおわかりと思いますが、"ほとんどの虫歯は痛くない"というのが正しい解釈なんだと思います。

 

もちろん虫歯の進行速度、虫歯リスクの高さ、部位、などを評価して、"削るか""削らないか"を決めるわけですが。

 

予防、とても大切です。

 

大竹貫洋

 

 

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2009年5月 2日 (土)

噛み合わせ

以前に、『噛み合わせについて、今度書き込むこととします』ということを書いてから、何ヶ月も経ってしまいました...

ブログを診療の合間に書くことはなかなか大変な作業ですね。

 

さて、先日テレビで放送されていた噛み合わせに関する内容のことを、患者に質問されましたので、少し書きます。

噛み合わせが悪いと...という、少し不安をアオルような内容だったようです。

 

そもそも、噛み合わせが悪い、という定義自体が難しいのです。

 

かなりの数の論文を読み、自身も噛み合わせに関する研究をしてきた経験から、現段階では全身に及ぼす影響にまで言及するのはいかがなものか...と考えます。

 

もう少し小さいエリア、例えば、この歯とこの歯の噛み合わせは不安定、とかこの歯とこの歯は接触していない...とか、そういうことの治療のために咬合治療(噛み合わせ治療)が存在するのではないか、と考えます。

噛み合わせが全身に及ぼす影響について、ない、とは言っておりません。

あるようにも思います。

 

もう少し、信頼に足る科学的データが増えてきたときに...ということで。

 

 

大竹貫洋

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2009年4月22日 (水)

審美的?美容歯科的アプローチ ラミネートベニア

審美歯科、という言葉を使うのにはいつも、?、という気持ちがありまして...

ただ、昨今の患者に定着しているワードとして、説明しやすいのでつかっていますが。

 

また難しく書きそうなので、その理由は書きません...

 

患者は

1.変色(着色ではありません、内側からしっかり色が変わってしまっている状態)歯を気にしています。 テトラサイクリン系抗生物質の服用による変色歯と思われます。

 

2.前歯の歯並びが悪く不衛生になってます。

 

3.↑実は歯医者で、かみ合わせももう少し治したいと考えています。

 

 

さて、僕は、かみ合わせの研究をしてきて、論文も多数書いておりますが、正直、かみ合わせの正常さを声高に、明確に言えるとは思っていません...

ですので、一般的に正しいとされる噛み合わせを付与しました。

 

彼(歯医者友人)に僕は以前、

『歯医者は綺麗な歯をしてなければならない、気がする。絶対ではないけど。

先進国で先端医療をリードしていくには、自身が綺麗にしておかないと!』

 

という得意の説教から、結局治療は僕になってしまいましたが...

 

術前写真と術後写真を今度アップします。

歯並びは、少し、ほんの少し、デコボコにしたほうが自然なんですよ。カッコイイです。

 

大竹貫洋

 

 

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2009年4月16日 (木)

安定した初期固定  上顎骨が少ない症例で

本日も、デンタルクリニック高円寺の大橋先生https://www.dc-koenji.jp/ と一緒にソケットリフトを行いました。

ソケットリフト時、シュナイダー膜に近いところにある骨を形成する際に少し工夫をしてます。


1.小さめな径のオステオトームで初期挙上を行い、

2.鈍的に手指にてマーカーを丁寧に押し込みながら、人工骨をコンデンスし、

3.(今回は)セルフタップ型のインプラントでさらに骨を拡げながら人工骨を骨折骨下に定位させる


インプラントフィクスチャーの先端付近への初期固定がよくなります。


ポーラスな骨である上顎骨は、セルフタップ型のフィクスチャー本体で少し拡大させます。



一番注意しているのは、むしろ、歯槽骨頂のホールをどのように形成するか、ですね。


ホールの最終径(入り口)は見えるので分かります、フィクスチャーが接する最も膜よりの径(出口)も微小骨折は伴っていますが想像ができます、が、その間はやはりイメージしにくいですから。


そのイメージの難しいところを、骨の脆弱さを利用して、テーパーのついたフィクスチャーで塞ぎながら拡大させる、というイメージです。



大橋先生とはかなり数をこなしてきまして、より安定したオペになってきています。



オオタケデンタルオフィス 大竹貫洋


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2009年3月28日 (土)

細菌との戦い

細菌の大きさは1μm前後と言われています。

10μmの隙間は、彼らにとってはとても大きな空間なのかも知れません。

人間が立っているときの横幅、しっかり考えたことないですが、60センチくらいですか(?)、幅6メートルの門に向かって入っていくのは大変贅沢に広いです。

我々の医療は、その限界にちゃんと挑戦できているのだろうか?とふと考えるときがあります。

30μmの隙間なら僕らにとって18mですから

 

私はマイクロスコープを使って約20倍の拡大をしながら治療をすることがあります。

そのとき、こんなことも考えます。

我々は、1/20の小さな動きでその大きさに対応しきれているのか、と

 

それでも、見なければ、見えなければ、しっかりとした診断と治療ができないわけですから、マイクロスコープは必要です。

 

このような物理的限界を超越するマテリアルの開発を、臨床医師の立場ではありますが、開発企業とディスカッションしております。

 

細菌が簡単に通り抜けることができないような工夫、現存する材料のなかでもそれが一番達成可能なものを選択するように、最新情報を取り入れることが大切だと思っております。

 

 

 

大竹貫洋

 

 

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2009年3月12日 (木)

共同での手術

RE(アールイー)にも書きましたが、今日、午前の手術は、デンタルクリニック高円寺の大橋先生と一緒に行いました。

今日の手術は、臼歯に3本、サイナスリフトも同時に行いました。

 

当院では、症例の難易度によっては、2人以上のドクターで手術をいたします。

4つの目、での手術は、ドクター自身にも患者にも安心が得られると思います。

 

埼玉では所沢と岩槻に度々出張いたしますし、デンタルクリニック高円寺にはよく手術補助に行きます。

 

これからも、このような手術の体制を維持して行きたいと思っております。

 

 

大竹貫洋

 

 

 

 

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2009年3月 4日 (水)

ホワイトニングとは

ホワイトニングについての理解が、患者によって異なることがあります。

我々歯科に関係する者の中には、ホワイトニングとは歯を薬剤などを用いて、歯自体の色を白くすることだけを指し示すと考えたり、また患者もそのような認識なのだろうと、当たり前のように思ってる者がおります。

 

患者によっては、ホワイトニングという施術名から、賢明に想像し、"クリーニングによって黒ずみが取れることかな"とか、それぞれに思うでしょう。

 

分かりやすく(?)説明してみることにしました。

 

歯が相対的に白くなるには

1.クリーニング

2.スケーリング

3.ブリーチング

という施術によって行います。

1.は器具を使って、"歯の表面の汚れを取り除く"ことです。

2.は器具を使って、"歯の周りにある病原となり得る歯石を取り除く"ことです。

3.は薬剤を用いて、"歯自体の色を白くすること"です。

 

先日も患者からの『歯をホワイトニングしてください!』との希望があったので、よくよく話を聞きましたら、クリーニングの希望でした。

 

歯の色を決定付ける要素は、外表面の付着物と、内面の色や治療による変色、歯が生きてないことによる変色などがありますので、医師の診断の後に何をするか決めると良いと思います。

場合によっては、歯石を除去するだけで、綺麗になることもあります。つまり保険の範囲内で綺麗になることもあるのですから。

 

 

大竹貫洋

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2009年2月26日 (木)

衛生管理

昨今、問題となっています医療機関での感染について、当院での取り組みを記したいと思います。

ほとんどの歯科医院では、器具を高圧蒸気滅菌やガス滅菌で対応していると聞きますので、歯科全体としてあまり不安に思うことはないと思います。

注射針の使いまわしなどは大変恐ろしい行為ですし、そのようなことはあってはならないことだと思います。

当院では、通常の滅菌消毒に加えまして、歯に接触しないハンドピースや水洗乾燥のためのシリンジなどにも患者毎に滅菌するようにするため、2台の滅菌器が存在します。

口腔外バキューム、これは歯の切削の際に飛び散るものの吸引を防ぐために口腔外から吸い取るもので、これを使用することは、患者の呼吸器への感染予防だけでなく、治療室を汚さないという他の患者への感染の危険性を低下させることができます。

また、細かい話ですが、口をゆすいだあとに紙ナプキンをお渡ししております。

これは意外に、重要です!

お口をゆすぐと、それを手で拭こうとする方がいらっしゃいます、その手で治療椅子や、ブランケットに触れますと、それを触った人に感染が起こる可能性があるからです。

『お口はこのナプキンで拭いてください!』というと、嫌な顔をされることがありますが...意味があるんです。

もちろん、治療椅子の消毒はいたしますが、あらゆる可能性を考えて滅菌消毒に努めています。

紙ナプキンのようなディスポーザブルになるものはできるだけ取りいれて対処しております。

歯科は金属性の器具を使うことが大変多いので、滅菌を繰り返すことでイタミも早いですが、清潔な環境下で治療することが全てに優先され、コストは二の次です。

手術の際には、上記のことに加えてさらに厳しい衛生管理のもと行っております。

 

オオタケデンタルオフィス 大竹貫洋

 

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2009年2月21日 (土)

歯を抜かない

歯科インプラントという治療方法が大変世の中に広まってきたのは、この分野における技術の発展によるものであることは疑いのないことです。

インプラントばかりを研究してきた医師は、インプラント治療の優位性を唱え、治療のスタイルはインプラントをゴールとして考えていくのかもしれません。

ご承知のようにインプラントは、抜歯後に、欠損の部位に行われる手法です。

歯の神経を残す、抜歯をしないようにするために、歯の根の治療に技術を磨いている医師は、インプラントをゴールとして考えていないのかもしれません。

私のゴールは、後者です。自分の歯で噛むこと、です。

もちろん、はじめから歯のない患者に対しては、インプラントをすすめます。自信をもってすすめます。

なぜなら、インプラントによって、隣の歯であったり、反対側の歯、相対する歯を守ることができることを強く強く感じるからです。

最近、地味かも知れませんが、ラバーダムを用いて、歯の根の治療をして、歯を抜かないことへ特に執着しています。

インプラント治療にならないために!

では午後のインプラントオペと骨造成、しっかりやってきます。

大竹貫洋

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2009年2月17日 (火)

シミュレーション

ブログは、広くみなさんに読んでもらうもの、と承知しておりますが、やはり専門的な言葉も少し(?)用いながら書いていくことにします

突然ですが、飛行機の安全を検証するとき、飛行機1機の衝突試験をすることを想像してください。お金がかかりますね。 このような実験を、実際行わないで安全性の追求ができないか、ということを研究者たちは考えました。 数学的に。

物体の表面の硬さ、厚み、密度、重さ、速度、摩擦...などなどを要素として代入した計算式によって、実際に壊さずして、予想するというものです。これは歯科医学の研究にも存在します。

"ここで噛むと、噛んだ食べ物の硬さなどはこうだから、顎に付着する筋肉の力、ベクトルはこうなので、関節にはこんな力がかかる"

"奥歯には力がこれだけ加わって、前後の歯の健康状態(例えば揺れてる)はこうだから、何々の材料を用いると壊れる可能性がある"

などのシミュレーションができる可能性があるわけです。コンピュータ画面上で。

有限要素法という手法を用いて、いろいろな研究機関で、歯科材料に関する、あるいは材料にとどまらず、歯自体を壊さないための人工修復の形態なども調べられてきています。

"機能と形態" 研究者として没頭した頃の、客観的な目を忘れずに最新医療を提供していきたいと思っております。

大竹貫洋

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2009年2月 9日 (月)

歯医者は嫌いですか?

歯医者が嫌い、という人は非常に多いです。

理由は、痛いことをされそうだし、怖いから。

確かに、歯を削る機械の音、注射、何かにおいのする材料・・・、怖い要素はたくさんありますね。

ですが、注射ひとつにおいても、表面麻酔の使用、刺入する場所の選択、細い針の使用、薬液を注入する際に余計な圧力をかけないことや薬液を温めること、などさまざまな工夫をすることで、注射の痛みは最小限に抑えられます。

私は治療で注射をした際に、痛かったですか?と聞くことにしています。

痛みの感じ方には個人差がありますが、痛かったです、といわれることは今はほとんどありません。それでも、痛かった、といわれた場合には、もう一度、どこが痛みを生むポイントになったか、考え、見直し、次に生かすようにしています。

ほかでも、治療時に痛みが出ないような工夫を私たちは常に行っています。

一番痛いのは、怖くて、歯医者にいけなくて、虫歯や歯周病が進行してしまったときだと思います。

虫歯も小さなうちなら麻酔しなくても痛みのないまま治療ができますし、歯周病も早い段階なら歯石の除去と歯磨きの徹底でそれ以上の進行を止められます。

だから、怖がらないで、嫌いにならないで、まずは来てほしいのです。

怖い、という気持ちの中には、何をされるかわからない不安もあるのではないでしょうか。不安から痛くなくても痛いような気がしてしまうこともあります。

そういう思いからも、今の状態の説明や治療方針に関する説明を徹底し、ひとつひとつ相談しながら行っています。

安心して、治療をしに来てもらえる、会いにに来てもらえる、そんな場所になれたら嬉しいです。

小椋麗子

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2009年2月 6日 (金)

セラミックインレー

今日午後最初の患者は、歯科医でした。

セラミックインレーをセットをしました。セラミックインレーを接着する際には、歯面を酸で洗ったり、乾燥させたりします。その場合、生きている歯ですので、シミル可能性があるのです。

そこで、『酸処理、エアブローのとき痛かった?』と尋ねましたら、『全くしみない』とのことでした。

これは、絶対ではありませんが、レジンコーティング法による象牙細管の封鎖がしっかりとなされていた結果だと思います。

このレジンコーティング法は、3年前に歯科医師向けに本にも書きましたが、全ての歯科医師が行っているとは限らないようです。

僕の経験では、正直に言いまして、レジンコーティング処理がなされた場合でも、接着時に『しみる』という人は30%くらいはおります。が、接着後にその感覚が続くという人は殆どいません。

レジンコーティング法の利点は、術後の知覚過敏が減る、ということよりも...歯とセラミックの剛体条件の恒久化(言いすぎ?)にあると、思っております。

どういうことかと言いますと、例えば草が生えている(象牙質表面を例えております)ところに、しっかりとしたビル(セラミック)を、しっかりとした土台(硬化後のセメント)で建てた場合を想像してください。

少し心配です...

やはり、草が生えてる土の部分をコンクリート(レジンコーティング法)か何かで補強してから建てたいと思いませんか?

時々患者からこんな質問があります。

セラミックインレーとメタルインレーは色の差ですか?

と、僕はそうとは考えておりません。  メタルインレーは、歯との間に嵌合材料を介して作られたパッチワークのようなイメージです。  セラミックインレーは、有機質の豊富な歯の内面から再構築されていくイメージです。 1.セラミックインレーは咬合(かみ合わせ)に耐え得る性質を有し、2.接着される側の象牙質には有機質を優しく保護しながら、セラミックインレーへの歪を大きくさせない材料(レジンコーティング材)が必要で、3.その間をそれらの中間的な性質と流れを有するセメントによって再構築させる治療方法だと、差を明確に感じております。

一言に、"歯を修復する"というのは、1つの材料で行うことでは乱暴な発想なのかも知れません。1つの修復によって、歯の象牙質とエナメル質の補強を同時に行わなければならないのですから。

材料の膨張収縮の"量"、膨張収縮の"方向"(これ意外に大切)を考え、レジンコーティング材料はなるべく薄くしたりすることも大切で、その具体的な方法も当院では工夫を重ねてきました。カナダにいるときには力学的観点からそれらをシミュレートできないか...と試みましたが、なかなか難しい問題でした。

またスタッフに、『先生の文章はわかりにくい』と怒られそうですので、今日はこのへんで

大竹貫洋

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2009年1月17日 (土)

執筆の機会を与えられて

先日、とある歯科医師会から依頼を受けまして、"かみ合わせ"に関する研究をまとめ、持論も含めまして書き記す機会を頂戴しました。

その中の一部に

"世界には多くの咬合理論を唱える医師がいて、それぞれがその咬合理論で患者を治してしまいます。つまりどの咬合理論でも治るなら、必ず治る咬合理論はない"

注:咬合とはかみ合わせのこと

という、ある研究者のお考えを引用させていただきました。

小生が大学院で学位論文を書き上げた4年間、その後のブリティッシュコロンビア大学でもずっと、上記のようなことを考えながら研究をしておりました。

答えを見つけ出すこと

周りよりも早く何かに気づくこと

確かに患者からみて、その医者が"?理論をもっています"ということのほうが安心して治療を任せられるでしょう。一方で、医者は、その理論が本当に正しいのか、その理論を導き出す過程についても厳しい目をもって向き合っていくことを忘れてはならないと考えます。

時に、自分の考え方がネガティブなのかな?斜めにみる癖があるのかな?と考えてしまうことがあります。新しいことや流行の考え方、テレビで話題の何々、ということでご質問を受けることがありますが、これからも、まじめに丁寧に"?だからこういう治療を勧めます""?だからまだこの治療方法は取り入れてません"のように答えていくようにしたいと思います。

かみ合わせのことについて、また機会がありましたら、書きます。

大竹貫洋